水景画のできるまで

顧問のタナカカツキです。

 

 

 

 

「水景画のできるまで」を、時間経過とともに見ていただこうと思います。

 

 

まずは下絵、設計図です。
顧問の本職は絵描きなのでドローイングは中途半端にプロです。
でも、うまく描く必要はありません。ここでは、何の素材をどのように使用するかを具体的にします。

 

できれば、配色もわかるように、彩色もしたほうがよいです。

 

 

 

 

下絵を見ながら、素材の流木を組みます。

 

下絵は全く白紙の状態から描くのではなく、どの素材をどう使うかというのを予め決めてから描いております。
下絵を描いてから素材を探しに行くのでは、見合った素材を見つけるまで大変な苦労をしてしまいます。

 

 

 

 

奥行、高さをつけるために、土台に発泡スチロールを利用します。(注水したら浮くので注意)
すべて石で組み上げると、水槽への負担、硬度もあがってしまうのでそのようにします。

 

 

 

 

これらの石は奥多摩の河川からお借りした石です。
なので、最初から少しコケ(ハイゴケの一種)が活着しております。

 

 

 

 

石の背後には軽石を敷いています。その上からソイルを流し込みます。
底床には目詰まりさせないよう空間を十分に確保し、植物が酸素を供給できるようにします。

 

 

 

          

注水します。

最初は濁ります。

 

 

 

 

翌日には濁りはとれます。

 

下絵を確認しながら植栽します。

 

 

 

 

立ち上げから30日経過

 

岩に活着した苔が勢い良く生長しております
全体的にまだ水草が少ないので、数日でガラス面がコケます。換水で対応。

 

 

 

 

立ち上げから100日経過
後景になる有茎草がずいぶんと生長しました。トリミングをして群生感を出します。

 

 

 

 

 

思ってたより生長の早い草、遅い草など、イメージ通りにいかないことも多いですが
下絵のイメージを超えるような良い部分もでてきます。
下絵はあくまで創作のきっかけと考えて、良い部分を引き立たせるよう、臨機応変に。

 

 

 

 

 

立ち上げから約5ヶ月
この頃になると水質はかなりの安定感です。

 

下絵にはなかった、山が追加されました。

 

 

 

下絵では、水草の生えていない空間に美しい三角形をつくれてなかったので、空間はあきらめて、むしろ三角を追加してやりました。これで遠くの景色への目のやり場が確保されました。

 

画面中景に、メリハリとなる陰影がつけれず、やや単調な色調になったので、深い赤色を追加しました(水草名_ルドヴィジアスーパーレッド)。
赤い草が思ってたより順調に生長。
と、そこで、レッドプラティーが子供をたくさん生み出しました。

 

赤い魚がまるで風に舞う赤い葉のようにみえます。
ここで、この水景画の完成イメージが具体的に見えました!
水景の中に風を吹かせて赤い葉をたくさん舞わせるで~。
水中なのに風を感じる、水の中に陸上を見立てるのは水景画の醍醐味ともいえます。
近年流行りのジオラマ水景です(オールドファンからは嫌われておりますが)

 

完成。
立ち上げから約7ヶ月
下絵とはずいぶん変わりましたが、そこも水景画の醍醐味、自然との共作なのです。

 

 

 

 

今、見れば、反省点もたくさんありますが、それは次回作の肥やしにします
以上!