世界ランク8位の水草水槽のつくり方 ステップ1

顧問のタナカカツキです。

 

 

 

 

来年は「世界一の水草水槽のつくり方」ってタイトルで記事書けるようにします。

 

 

 

 

とりあえず、8位(世界水草レイアウトコンテスト2015年度)の水草水槽のつくり方 ステップ1

 

FSGB.jpg

© 2015 AQUA DESIGN AMANO CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.   

 

 

 

 

まずはカラの水槽から(120センチ水槽 120✕45✕45)

 

 

バックスクリーンはいつもの青のグラデーション(自家製)    

 

 

 

水槽の最前面にまでソイルが流れないように、L字の仕切り板  

 

 

 

何度も使いまわして、かなり傷んできました
でもまだまだ使える。

 

PB061686.jpg  

 

 

 

 

仕上げのとき、白砂スペースを確保するためのスペース    

 

PB061683.jpg    

 

 

 

 

これもいつもの、底床添加剤  

 

PB061689.jpg    

 

 

 

 

ふりかけて  

 

 

 

 

 

 

園芸用の軽石(水洗いしたもの)  

 

PB061696.jpg  

もっと山盛りいれてもかまいません  

 

 

 

 

上から園芸用のネット(軽石浮き上がり防止)  

 

PB061698.jpg

で、この上に、石やら流木やらを置いていくのですが

 

 

 

 

その前に今回の構想スケッチです        

 

     

 

 

 

 

これに決定!    

 

    1031.jpg

わかりやすい構図が良い (色、線、塊、がハッキリと伝わる)  

 

 

 

 スケッチは完成のイメージよりも、やや大げさに大胆に描いてみる

 

 

 

最初のとりかかりはこれくらいの尖った気分、奇抜な印象で攻めてゆきます
作っていくうちに(自然物と共に創造してゆく過程で)特徴的な部分は削ぎ落とされて
じょじょに落ち着いた構図になってゆくのが常です。

 

 

 

「素朴な水景が好き」 なんて言ったところで、時間経過により水景は素朴化へ向かいます。
独善的なイメージは自然と調和してくる
コンテストで上位ランクに入る水景は、素朴とは逆のベクトルでの印象争いです(2015年現在)

 

 

 

最初は見るものを疲れさせるほど技巧的なもの
やや個性的すぎるかな?奇をてらいすぎ?ってくらいが丁度良いです。
それが今のコンテストの動向です。

 

 

 

 

あらためてこのコンテストのお話します

 

世界水草レイアウトコンテスト
ネイチャーアクアリウムの提唱者であり、ADAの創設者であり
本コンテストの審査員でもある天野尚氏によって
世界2500作品以上の中から上位100作品が選ばれます

 

 

 

この上位100位に入らなければ、世界の審査員の目に触れることはなく
世界コンテストにエントリーできません  

 

 

 

 

ネイチャーアクアリウムとはどういうものか  

 

 

 

 天野尚氏が提唱したネイチャーアクアリウム、AMANO式レイアウトとは
どういうものだったのか今一度振り返ってみましょう

 

 

 

天野さんがこれまでの他のアクアリウムと一線を画したのは
新しい素材が新しいレイアウトを生む
ということを徹底的に実践したことです。
その結果、アクアリウム文化に新たな分野を切り開いてゆきました  

 

   

水槽の中に流木や石を入れるという概念すらなかった時代に
臆すること無く、新しい発想で次々に誰も見たことのない水槽を作られた。

 

 

 

 

リシアを沈めたり、モスを切り刻んで巻いたり、単一種植栽など
イメージされる景観も川から海、そして山へと広げてゆかれた
今では当たり前になってる素材、万天石や龍王石など
陸上の岩肌の質感を持ったモノを水槽にレイアウトするなんて
当時は鮮烈な違和感を感じさせたでしょう。

 

 

 

また、水槽に多様多種な水草をところせましと植栽していた時代に
水草の種類を極力抑え、空間を大胆に開けた石組水槽
と、次々と発表されるAMANO式レイアウトの新作
抵抗を感じられた方も少なくなかったと想像します。

 

 

 

それが、今となってはネイチャーアクアリウムに安らぎさえ感じてしまう人がいる

 

 

 

それはただ見慣れただけ。

 

 

 

ってのと、水槽がデカいから  

 

 

ネイチャーーアクアリウム斬新で奇想のアクアリウム

 

 

 

 

「誰も見たことのない水槽をつくってやろう!」
これがネイチャーアクアリウムの本質
創作の基本姿勢です

 

 

そして、もうひとつ忘れてはならないことは
見た目がどんなに斬新であろうが
生態系のバランスがくずれてるのはダメ
魚の棲みやすさは考慮しなければいけません。

 

 

 

天野さん個人は
細かい作りのレイアウトは好みではないと公言なさってましたが
だからといって、無頓着なレイアウトはチョイスしてくれません。
そして、人目を引こうとするだけの発想押し売り型のレイアウトも
よい得点をつけてくれないので そのバランスも必要です(難しいすね)  

 

 

 

細かい作りのレイアウトが好みではない場合、水槽サイズを巨大化すればよい
それが創始者の歩まれた道です。

 

 

 

私たちは、限られたサイズの水槽、たとえば120センチしかない水槽であれば
レイアウトは息が詰まるほど細かく!
90センチなら、さらに細かく!
60センチなら、死ぬほど細かく!
45センチなら、ルーペで植栽!

 

 

 

巨大化に対抗するには、そーなるわけです  
(たとえば、オーソドックスな人まねレイアウトでも、小型水槽で実現すればそれは新しいレイアウトとして100位以内に入るでしょう)    

 

 

 

誰も見たことがない奇想のレイアウト

臆すること無く、挑戦してみる

それがネイチャーアクアリウムの正攻法

 

 

 

そんなところから、2015年のレイアウトはスタートしました    

 

 

 

素材を生かすということはどういうことか  

 

 

 

これについても思い違いが多いように感じます。
素材を生かすということは
それは、その素材の持ってる可能性を新しく取り出してやること
自然界の模倣ではありません。

 

 

 

 

 ってなことを
前口上とさせて頂き、ステップ2へとつづく