深田氏のインタビュー その3「評価を超えて」

タナカ  「棲息環境の再現」「魚の棲息環境としての評価」という項目に関してはどうでしょうか?

 

深田   これもまた重要な鍵になってきますが、もう、魚を意識しましょうってことですよね。魚をただ入れるってだけじゃなくて、この魚!っていうね、この魚じゃないとダメ!この魚でもいいけど、この魚でもいいよねってのはもうダメということですよね。いかにもこの魚ってここにいそうだよねっていう、思ってもらわないと。

 

タナカ  トランスルーセントを使というアイデアはどの段階で?

 

深田   トランスルーセントはレイアウトがまだ思い浮かぶ前に、とっかかりとしてあったんですよね。

 

タナカ  魚ありきだったんですね

 

深田   トランスが、洞窟の影からスーッと泳いできてるってことが見えてるから

そのイメージに合うように自分もつくっていっただけですよね。トランスがって言うより、使う魚が過去にポピュラーに使われてないっていうのがポイントですね

 

タナカ  そこで、印象もオリジナリティも点数が加算されてますよね

 

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タナカ  「長期維持の可能性」という項目に関してはどうですか?何をして長期維持って言うのかっていうのはやり始めた人はわからないと思うんですよね

 

深田   今、残念ながら、コンテストの審査員が判断する長期維持できるかできないかは、すっきりしてるか、すっきりしてないかで、たぶん判断してると思うんです。

 

タナカ  手を入れてメンテナンスが困難を極めないかってことですよね?

 

深田   そう、メンテナンスが楽かどうかっていうので判断している。ただ、審査員の方々って言っても人間だから、第一印象が一番いい、自分がパーっとみたときに第一印象が一番いいって作品がメンテナンス性が悪いからって順位動かさないです。

 

タナカ  はい、そうそう、それは採点表を見てても感じます。やっぱ印象的なものが、なぜか長期維持も良い点数が付いてるように見えます(笑)。

 

深田   だから、審査項目で第一印象がいいにも関わらず、ランクを下げる可能性があるとすれば魚です。そういう意味では、長期維持はそんなに影響を及ぼさない審査項目だと思いますね。

 

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タナカ  採点表を見て思うのは、長期維持に関してあまり良い点がついてないものは素材がごちゃごちゃしてて、手を差し込める場所も狭く、メンテナンスが大変そうなのがあまりいい点数ついてないですね。

 

深田   ほんとうの意味では、ごちゃごちゃしてるとメンテナンスするのは大変だけども、できないことはない。

 

タナカ  できないことはないし、メンテナンスが好きな私なんかはやりがいさえ感じる(笑)

 

深田   だから、ぼくなんかは、なんで出品作品をすぐ壊さないかって言うと、それを暗にアピールしたいですね。あんなにごちゃごちゃした構図で出品しても、アクアジャーナルとかで去年の作品もありますよってなれば、審査員の方々も、一般の方も、長期維持できないじゃん~って言ってた人が、できてるじゃん~て思うようになる。

 

タナカ  そうですね、評価を超えてゆく作品の在り方って、いいですね。

 

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↑モニターに足をかけ客席にせり出すボーカルスタイルは、深田式腰に負担をかけないメンテナンス方法

メンテナンス作業の敵「腰痛」、パフォーマンスを阻害する要因を徹底的に洗い出し、効率化を図る
水槽管理は自己管理、さすがはトップレイアウアウターなのである!

 

 

タナカ  深田さんがもし、これらの審査項目を動かせるお立場だとしたら、現状の審査に加えたい項目ってありますか?

 

深田   そうですね~今の審査員の方々って、どこどこの社長さんですとか、学者さんですとか

 

タナカ  雑誌の編集長ですとか(笑)

 

深田   クリエイティブな部分を審査してくれる人がいない、実際にレイアウトを現在自分の手で作る人がいない、もし仮に新しい審査して欲しい部分があるとすればそこらへんなんですよね。

 

タナカ  今はオリジナリティーや印象度なんかでカバーされてますが、それにしても10点という全体の1割でしか評価されてない感じがしますよね(笑)

 

深田   今のままだと、お魚とかアクアリウムをやってる人だけで、大衆に普及していかないですよね。

 

タナカ  はいはい、ビジュアルとして、新たな時代の新たな造形表現としての可能性が見過ごされてるようなね、審査員に現役のプレーヤーいないっていうね、いたとしてもそれはずいぶん昔のプレーヤーですし、今と状況が違う、旬のレイアウターが時代の空気を吸いながら素材と向かい合う実感と合致しているかどうか…。

 

深田   仮にね、天野さんだったらクリエイティブなところもカバーできるし、実際に手を動かしてる、全部あの人はカバーしてた。

 

タナカ  そうですね。

 

深田   そこらへんを動かすには、僕達まだちょっと若造なんですよ。ぼくたちが10年、20年とか、僕も生きてるかどうかわからないけど、もうちょっと時間が必要で、時間が経つと意識って自然と変化してくる。今の旧態然とした審査感覚からもうちょっと新しいものを取り入れていこうよってなってくるんで、まだ僕達自身もキャリアが足らないし。

 

タナカ  はい。謙虚に、でもしたたかに。(笑)

 

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つづく

 
 
 

 

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