深田氏のインタビュー その2 「棲息域の表現」

 

 

 

タナカ  それでは、審査基準に関して、それぞれの評価項目について聞きしたいと思います。プレート圏内の鍵にもなってくると思いますが、いろいろ審査項目あるじゃないですか、一番大きいのが、魚の棲息域を表現できてますか?ってことですよね。総合点100点のうち、その半分、50点あります。

 

深田   山田先生筆頭に水中感、水中感おっしゃってて、それが前から比べたら一番大きく変更した点。

 

タナカ  過去、審査項目は変更されてます。ここで現在の審査項目をここでおさらいしておきます。

 

 

 

 

総合計点数(100点)

※作品ごとの生息環境の再現点(50点満点)と5項目の技術点(各10点満点・合計50点満点)で採点される。

 

① 棲息環境の再現(50点)

② 長期維持の可能性(10点)

③ 技術力(10点)

④ オリジナリティと印象度(10点)

⑤ 自然感の演出(10点)

⑥ 構図と水草の配植(10点)

 

 

 

 

タナカ  この点数の半分50点を占める「棲息環境の再現」という項目ですが…

 

深田   じゃあ、みんな水の中を表現しなきゃいけないの?一番最初に戸惑うところだと思うんですね。

 

タナカ  水中感ってなんだ?何をして水中感って言うのだ?っていう。

 

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深田   それまではアリゾナの砂漠とか表現されてる作品なんかあったりしましたね。

 

タナカ  あれ、笑ったな~、あれ、好きか?っていうとあれだけど、表現の幅をかんじさせてくれた。

 

深田   我々は陸上に生きてる者なので、インスパイアされるような景色とかモチーフなんかは陸上から取り入れることってすごくたくさんあるし、実際表現も陸上を模した表現もたくさんある。

 

タナカ  じゃあ、どうしたらいいのか?水中感を表現しろって制限されてしまって。

 

深田   コンテストに限った話で言えば、これはもう自分の価値観を一つ持つしかないんですよね。それがこの項目の鍵の一つだと思いますが、要は作って、作品から受ける印象でドライに感じるかウェットに感じるか。

 

タナカ  おおお!

 

深田   レイアウトから受けるイメージがドライっぽい印象のレイアウトなのかウェットな印象を受けるレイアウトなのか、それが一つの線引なんですよ。もちろんウェットな印象を与える、審査員が見てウケる、そういうレイアウトを意識しないといけないですよね。そういうこと考えると、わかりやすく言えば、その時点で、アリゾナの砂漠は

 

タナカ  ドライなレイアウト、選外になりますね。

 

深田   はい、同じ陸上表現しているのに、森を表現、屋久島の森を表現すればそれはドライですか?

 

タナカ  ウェットです。

 

深田   そこらへんで、線が見せてきませんか?

 

タナカ  見えてきますね。

 

深田   ドライ派のレイアウトなのか、ウェット派のレイアウトなのか

 

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タナカ  たとえばグランプリ作品、石がドーンだけではダメでそこから蔦が垂れている。ウェットですよね。

 

深田   そういうエッセンスを確実にレイアウトに盛り込んでいく。水中なのか、陸上なのかって考えだすと、すごく自分の表現を狭めちゃうし視野も狭くなっちゃうから、それぞれ自分の基準を持つべきだと思って、ぼくはそのようなことを意識して作るようにしてますね。

 

タナカ  ドライ感、ウェット感、とても分かりやすい良いキーワードですね

 

 

つづく

 

 

 

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