顧問のタナカカツキです。
コンテスト〆切まであと2ヶ月。
コンテスト用に作られた水槽はあと2ヶ月後に
もっとも旬を迎えるように水草が植栽されています。
ですので、どの水草がどのようにどんなスピードで育つか
わかっていないとコンテストに出品できるような水草水槽は作れません。
良いレイアウトを考え創る、それ以前に、自然科学的な知識を必要とするのが
水草水槽の難しいところであり、面白いところです。
「水草水槽」は自然と人間の共作、神との共作
なんて、おおげさですが
まあ、そーゆー部分は確かにあるわけです。
作品完成まで管理、メンテナンスをする時間と意欲と手間が必要です。
何ヶ月にわたって創作意欲をキープ出来た人だけ作品を完成させ出品できます。
近年、コンテスト作品のレベルぐんぐんアップしています。
これまで様々なレイアウト、様式が、世界中で試されてきました。
そんな中、新規性のあるレイアウトを考えだすのは至難の業です。
たとえ、新しいレイアウトのアイデアを思いついても
それに合う素材を見つけられなかったり、伴う技術がなかったり…
そもそもの話し、
プレート境界に位置する日本列島で、消費税が8パーセントのご時世に
そうとうな余裕がなければ、人の心は水槽に向きません。
部屋のスペースの問題もあります。経済的なことも、もちろん。
襲いかかる難局、そうとうタフな人でないと途中でくじけてしまうでしょう。
くじけるのが普通、できない。水草水槽なんて最初からやらないが大人の選択。
それでも、 なんとか、部屋に水槽を置けるスペースを確保し、何度も床を水びたしにしながら
重い石を運び、同居人に白い目で見られながら、石にウィローモスを巻く。
ホースの呼び水を何度も飲み、排水口に流されてしまいそうな稚エビを
指でつまんで助けようとするけど、うまく摘めない。
買ったばかりのガラスパイプを割ってしまう。
骨折りの厄介事の塊みたいなものですよ、水槽なんて。
それにプラスして襲いかかってくるのが実生活のトラブル。
スマホ落としたり、インフルエンザかかったり、賃貸契約の期限がきたり
異動を命ぜられたり、これでもかという難境。存亡の危機。
クライシスの裂け目からなんとか水を腐らせないように週イチの換水。
水槽を管理するってだけで、もうすごいコトなのです。
水草を育てられてるって、えらいにもほどがある。
世界水草レイアウトコンテスト
そんなコンテストに出品できるなんて、なに?貴族!?
だからね
そこのあなた!そして私よ!
今回はいい作品ができそうにない……
なんてことを思い煩うことなかれ!
出品するだけ「奇跡」と呼びたい。